『子育ての「選択」大全』を読んだ感想、レビュー<育児本100冊チャレンジ>

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今回読んだ本はおおたとしまさ著『子育ての「選択」大全』です。おおたさんが、たくさんの教育現場を取材された成果を一つにまとめた一冊となっています。

著者について

著者はおおたとしまささんで、教育ジャーナリストの方です。教育や育児の現場を数多く取材されており、教育者ではなくジャーナリストだからこそ、客観的な切り口で本を書かれています。ご本人は自分のことを「教育観察者」だとしています。

『子育ての「選択」大全』の内容

内容は主に5つのパートにわかれています。

  1. 世界の様々な教育法について
  2. 保育施設について
  3. 習い事について
  4. 家庭学習について
  5. 受験と進学について

モンテッソーリやシュタイナー教育などの様々な教育法の概要、保育園・幼稚園・こども園の違いについて、習い事にはどんなものがあるのか、公文や進研ゼミの概要、中学・高校受験の現在について体系的に、でも簡潔に書かれています。

幼稚園に入るタイミング、習い事を選ぶタイミング、家庭学習を選択するタイミング、そして受験を考えるタイミングに読んでみると、「何を選ぶべきか」を迷ったときの指針となるのではないでしょうか。

悩む男女

VUCAな時代の子育て

この本で私が面白いな、と思ったのは序章と最終章です。著者が長年教育現場を取材して導き出した「子育て観」が書かれています。

現代は「正解のない時代」「先行き不透明な時代」などと言われています。VUCA(Volatility/変動性・Uncertainity/不確実性・ Complexity/複雑性・Ambiguity/曖昧性)の時代とも言うそうです。また、新しい教育方法が毎年登場したり、プログラミングやダンスの必修化、AIの台頭など、めまぐるしく教育環境が変わる中で、私たちはどう子育てしていけばよいのか悩みますよね。

著者が言いたいこと。それは、時代が変わっても「人間の本質は変わらない」ということです。本来子どもは必要な能力をもって生まれてきており、特別な教育法を探したり、実践する必要はないと言っているように思います。

子育てを複雑にしているのは大人であって、本来子育てはシンプルなものではないか、というのが著者の主張です。

まわりの大人がちゃんと子どもを見ていて、その目の輝きに気づいて、その都度励ましてさえいれば、あとは、よほど余計なことをしなければ、子どもはその子なりにちゃんと育つ。それがこれまでたくさんの教育現場を歩いて、優れた教育者の話を聞いて、70冊以上の本を書いてきた私の現時点での確信です。(終章より)

SNSを開けば早期教育を受けているお子さんがものすごく難しい算数の問題を解いていたり、高校生レベルの英検級を取得していたり。我が子と比較して残念な気持ちになること、ありませんか?私はたくさんありました。そして、その都度焦っていました。

でも、焦るのは子育てで一番よくないことだと最近わかってきました。(きっとSNSで見るお子さんたちは生まれつきの才能があるのだと思います。)

興味深いと思ったのは、本書の中で紹介されていたこちらの考え方です。子どもの成長を人類の発達に例えています。

幼児期は原始人
小学生は古代人
思春期は中世・近代人
大学生で現代人

幼児期は泥団子をつくったり、裸足で駆けまわったり。原始的な自然を体感します。小学生になると論理的に考えることができるようになり、「なぜ?」という素朴な疑問がたくさん出てきます。思春期になると、抽象的な思考ができるようになり、また、世の中の疑問を論理の力で解き明かせるようになります。大学生でようやく現代人となりますが、まだまだ新米現代人です。

この例え、実に上手ですよね。つまるところ、何が言いたいかというと「幼児期に焦って現代人の真似事をすると、階段を踏み外しますよ」ということだそうです。私もこれには同意で、子どもの成長にはその時期に大切なことがあり、先取りをすることが決して良い結果をもたらすわけではないと思います。

人類の歴史

 

これからの時代を生きる子どもたちに必要な力

これからの時代を生きる子どもたちに必要な力として、著者は以下の3つを挙げています。

  1. そこそこの知力と体力
  2. やり抜く力
  3. 自分にはない才能を持つ人とチームになる力

著者は、特に➂が大切だと言います。そして、人とチームになるには「コミュニケーション力」が必要ですよね。ここでは2つのコミュニケーション能力を挙げています。

「共感的、コミニュケーション力」=相手の立場を思いやったりしながら、自然な感情の動きとしてできるコミニュケーション
「論理的コミニュケーション力」=意見が合わない相手と論理的に意見をすり合わせ、共通の議論の前提に立とうとする関わり

子どもを見ていて、コミュニケーション力をつくるのはやはり学校が終わった放課後の時間だとつくづく思います。子ども同士遊ぶ中で役割やルールを決めたり、時には意見がぶつかったり。家庭で親と会話することの大切さ。

学業面・習い事の成績だけではなく、どうすればこうしたコミュニケーションの力ーそれぞれの能力を集結させ、全体の利益のために最善をつくすーことができるようになるのか、考えてみると良いのではないでしょうか。

感想

我が家の子どもたちはもう2人とも小学生ですが、「オルタナティブ」と言われる教育法にこんなにたくさんの種類があることを初めて知りました。もっと早く知っていれば幼稚園選びの参考にさせていただいたと思います。

といっても、自宅にほど近く、外で遊べる園庭があり、学年関係なく自分たちで遊びをつくる時間がたっぷりあった幼稚園に通うことができたので、結局後悔はしていませんが。

面倒見の良いおもちゃ、面倒見のよい幼稚園、面倒見の良い学習教材、面倒見の良い塾。そうしたものに麻痺していかないよう、「子育てはシンプルなもの」という本書の教訓を胸に、気をつけていきたいと思いました。

「選択」に迷われている方はぜひ一度手に取って読んでみてくださいね↓

 

 

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