『犯罪心理学者は見た危ない子育て』(出口保行著)の要約・感想。非行から学ぶ子育ての失敗例

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今回読んだ本は出口保行著『犯罪心理学者は見た危ない子育て』です。

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著者について

著者は出口保行さんで、犯罪心理学者の方です。1985年に東京学芸大学大学院教育学研究科発達心理学講座を修了し、同年国家公務員上級心理職として法務省に入省。以後全国の少年鑑別所、刑務所、拘置所で犯罪者を心理分析する資質鑑別に従事し、法務省心理職として1万人を超える非行少年・犯罪者を見てきた経験をもとに、本書を執筆するに至ったそうです。

子どもの非行から学べること

落書き

 

「ほとんどの非行少年が、犯罪を犯す前になんらかのSOSを出している。子どもが勝手に悪くなることはない。」と著者は言います。

著者は少年たちが犯罪に至る背景には家庭環境が大きく影響している、という立場をとっています。親の過保護、高圧的態度、甘やかし、無関心といった養育態度が行き過ぎると、結果として子どもがうまく社会に溶け込むことができず、非行や犯罪に手を染めてしまう、という主張です。

「非行事例は子育ての失敗例」だと著者はいいます。非行少年を生んでしまう家庭環境には類似性があるそうです。本書では4つの非行少年の例が挙げられていますが、どれもなんとなく聞いたことがある話ばかりでした。そうやって育てたらそうなるよね、と想像できるようなものばかりです。

本書には、今子どもを育てている親御さんたちに、非行を生まない子育てを失敗例から学んで欲しい、という願いがこめられています。

親の養育態度4分類ー過保護、高圧、甘やかし、無関心ー

前述のとおり、著者は「非行少年を生んでしまう理由は親にある」という立場をとっています。非行少年の心理分析を行う際には、アメリカの心理学者サイモンズが分類した親の養育態度4分類が参考になるといいます。

どのような分類かというと、「支配」と「服従」を縦軸、「拒否」と「保護」を横軸とし、4つの象限をつくります。

支配×保護=過保護型
支配×拒否=高圧型
(子どもに対して親が)服従×保護=甘やかし型
(子どもに対して親が)服従×拒否=無関心型

 

親は、これら4つのタイプのどれかに必ず当てはまるといいます。理想は中心点だそうです。私自身も、どれに当てはまるかといえば過保護型に当てはまってしまうと思います。どれに当てはまるとまずい、というわけではなく、問題なのはそうした養育態度が行き過ぎることだといいます。

なんとなく、そうした家庭環境で育った子がどうなるのか、想像がつきますよね。

過保護な親→ 周りや環境のせいにする子どもが育ちやすい

高圧的な親→ 指示待ち人間が育ちやすい

無条件に甘やかす親→ 人の気持ちがわからない子が育ちやすい

無関心な親→ 誰かに愛されたい、愛情に飢えた子が育ちやすい

 

このように、どのタイプの養育態度であっても、行き過ぎると非行少年を生んでしまうそうです。本書では4つのタイプ別に、よくあるパターンとして犯罪に至る例が紹介されています。ドラマを見ているようで興味深い内容となっていますので、ぜひ手にとって読んでみてほしいです。

「しつけ」の大切さを再確認

しつけとは何かを改めて考えてみると、

子どもが自立して幸せに生きることができるよう、基本的な生活習慣や社会的マナーを親が子供に伝える行為。(『子どもの心のコーチング』菅原裕子著より)

ということができます。子どもが社会の一員として生きていくために、そのルールやマナーを子どもに伝え続けることです。

しつけ

非行少年たちは、こうしたしつけを受ける機会が乏しかったのではないかと推測できます。「こういうことはしてはいけないよ」「人を傷つけてはいけないよ」と教えられる機会が少なく、気がついたときには犯罪に至ってしまっています。

著者は、「前もってしてはいけないことを親が子どもに教えておくことが大事」だといいます。非行少年たちは犯罪を犯してから叱られるケースが多いといいますが、それでは遅いですよね。

私はよく小学生の登下校の見守りをしているのですが、「そんなこと言わないとダメ?」というようなことが結構起こります。特に男の子に多いです。帽子を投げては拾いながら帰ってきたり、落とし物のおしゃぶりを川に投げ捨てたり、公園のトイレの屋根の上に登ったり、ガードレールに乗ったり。(ちなみにうちの子ではないです。)

行為を都度見つけ次第「それはしてはいけない」と伝えたり、予防できるものは事前にマナーを教えておく。何度言ってもなおらない!と心が折れそうになるときもありますが、伝え続けることが大事なのだろうなと思います。

子育て方針は都度修正しても大丈夫

もう1つ本書で学べる大切なことに、「気まぐれに子どもに接してはいけない」ということがあります。親である私たちも人間なので、どうしても気分によって子どもとの接し方が変わってしまうことがあります。ですが、今日は気分が良いから好きなものをなんでも買ってあげる、次の日はテストの点が悪かったから何もあげない、ということをしていると、子どもは混乱します。このあたりは、私も自身の子育てを振り返って、反省するべき点が多かったです。

子育て方針をつくって、運用してみて、間違えていたら修正する。修正する際は、どうして修正するのかを子どもと話し合い、理解できるように伝える。

子ども一人一人によって、子育ての方針は異なるはずです。子どもを観察し、対話して、よりよい子育て方針を見つけていきたいなと思いました。

感想・まとめ

巻末には親のタイプ別のチェックリストがあるので、ぜひ参考にしてみてください。

カリフォルニア大学バークレー校ダイアナ・バウムリンドが提唱した、親の子育て類型には、「民主型の親」というものがあります。民主型の親とは、「子どもへの期待は高いけれど、子どもの自律性を尊重し、物事をきちんと説明する育児をするタイプ」の親です。

本書を読んで、子どもとのコミュニケーションの大切さを改めて感じました。子どもの話をきちんと聞くこと。子どもを信じて、手を出し過ぎることなく見守ること。子育てのヒントがたくさん詰まっていました。ぜひ手に取って読んでみてくださいね。

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