<当ブログはアフィリエイト広告を利用しています。>
<子育ての悩みシリーズ>はじめました。育児本を読む中で得た知識を、テーマごとの悩みとその解決策という形でまとめてみたいと思っています。内容は適宜追記していきます。
——————————–
今回のお題は「子ども同士で遊び合うことの大切さ」です。
子どもがお友だちと公園で遊んでいると、楽しくなってしまって永遠に帰れない!なんてことありますよね。「5時になったら帰るよと約束したのに!」「こんなに長い時間子ども同士で遊ぶ必要ってあるのかな?」と思うこともありますが、結論、あります。子ども同士の遊びは貴重な社会体験です。
以下、子ども同士で遊び合うことの意味を解説していきます。
3歳の遊び、4歳の遊び、5歳の遊び
まず、子どもの遊びの特徴を年齢別に見てみましょう。
3,4歳頃はとにかく自己中心的で、友だちとうまく関われないことも多いです。お友だちと一緒に遊んでいるというよりも、同じ空間でお互い好きなことで遊んでいるだけ、という場合もあるでしょう。自分のしたいことを一番に優先させてしまうのもこの時期です。
子どもがおもちゃを独り占めしてしまうときなどは、遊び終わったら友だちに貸してあげるよう、親が声をかけてあげましょう。また、貸してもらったら「ありがとう」と言うことを教えてあげましょう。
4,5歳は親しい友だちを欲しがりはじめる時期です。仲間との世界をつくり、一緒に行動することで好奇心や探究心が芽生えてきます。友だちと遊ぶ楽しさがわかるようになってきます。
また、5歳頃になると友だちの気持ちもわかるようになってきます。自分勝手な要求を抑え、我慢することもできるようになります。遊びの中で状況を判断し、友だちと関わる経験が、大人になって社会に出たときの行動の基盤となる大事な時期です。
子ども同士で遊ぶ時間が大切な理由
幼児同士の遊びは、将来、社会に出てうまくやっていけるかどうかに影響がある、という調査結果もあるようです。
小児科医の佐々木正美先生は、著書『子どもへのまなざし』の中で「子どもたちは育ちあう」と言います。
「子どもというのは、自分の子どもだけが育つということはありえなくて、人と、とくにほかの子どもたちと育ちあうのです。」
大人が子どもに教えることよりも、子どもが子どもから教わることが大切だといいます。子ども同士のやりとりを通して子どもはお互いに育ちあうのだそうです。さらにいえば、そうして地域全体で子どもを育てるという環境が望ましいです。
他者を理解できるようになる
子どもは、子ども同士遊ぶ中で自分とは違う考えや欲求をもった他者に出会い、自分とは違うことに気がつきます。大人と接するときよりも、同年代の子どもとの関わりの中で自分との違いに気がつくことが多いそうです。
「わたしはこの遊びがしたいけれど、〇〇ちゃんは違うみたい」「ぼくはこう思うけれど、〇〇くんはそうではない」など、同じ子どもなのに違う意見があることに気がつくようになります。他者を理解することで、他者を尊重する必要性についても学んでいきます。
社会性が育つ
子どもたちの遊びをよく観察してみると、子どもたちはルールをつくって遊んでいることに気がつくでしょう。その際、子どもは自分の要求が通らない場面に遭遇します。「自分は〇〇したい」と思っても、お友だちに「ダメ」とか「そうじゃなくてこれしようよ」とか言われてしまうのです。悔しい思いをしながらも、一緒に遊び続けたい気持ちも強いため、友だちの意見を聞いて妥協することを覚えていきます。その反対に、自分の意見を押し通すこともあるでしょう。子どもは妥協したり、自分の意見を押し通したり、その時々に応じて判断する経験を積み重ねていくことになります。そうして、友だちと折り合いをつけることを学んでいきます。
子ども同士の遊びは「社会体験」だというのがわかるでしょう。友だちとの関わりの中で、自分をコントロールしたり、ときには我慢して、うまく付き合う方法を学んでいきます。友だちを助けたり、助けられたりすることもあるでしょう。
人格が育つ
子ども同士の関わりは子ども自身の人格も育てます。遊びの中で、子どもは倫理観や道徳観、社会的役割を理解していきます。
自分を知る
他者を知ることで、子どもは自分を知ることにもなります。「〇〇くんはこうだけど、ぼくはこうだ」と自分に対する理解を深めます。自分の感情や欲求を認識し、子ども自身の自主性や自発性を育てていきます。
ルールをつくって遊ぶ子どもたち
ロシアの心理学者・発達心理学者であるヴィッゴツキーが行った、子どもたちの遊びについての研究が、佐々木正美著『子どもへのまなざし』で紹介されています。
ヴィッゴツキーの研究によれば、子どもは仲間と一緒に遊べるようになると、ルールをつくって遊び始めるといいます。そして、自分たちがつくったルールを守れる子だけが、一緒に遊ぶことができるのです。ルールを決めると、次に子どもたちは役割を見つけ承認し合います。例えば電車ごっこだったとしたら、運転士や乗客、車掌さんなど。その役割を担いたい子が複数いた場合には話し合いにより誰がその役をするのかを決めます。役割を自分のものにするためにも、皆の承認が必要なのです。
このルールと役割の話はとても興味深いです。鬼ごっこやおままごと、砂遊びにも、よく見ていると彼らの遊びにはルールと役割が確かにありますよね。例えば砂遊びの場合には、「ぼくは山をつくる」「ぼくはお団子をつくる」など役割を決めて遊んでいる姿を目にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
子どもたちは仲間と一緒に遊びながら、自分がしたいこと(遊びや役割)を実現しつつ、皆に認められる範囲で我慢をする(車掌さんになりたい人が2人いたら譲ってあげる、足りないと思われる役を率先してやる)ことを学んでいくのです。
どうすればみんなで遊べるかを考えて話し合うこうした過程は、まさに小さな社会と言えるでしょう。子ども同士の遊びがなぜ大切なのか、なぜ必要なのかがわかりますね。
うまく遊べないときは
とはいえ、子どもたちだけでは喧嘩になってしまったり、ゲームばかりしてうまく遊べない、という悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか。
そうした場面では、大人がうまく導いてあげましょう。喧嘩になってしまう場合は、双方の言い分を聞き相手がどう思っているかを伝えたり、ゲームばかりになってしまうときは子どもたちが熱中できるテーマや遊びを提案してみましょう。その際は、子どもに他の遊びを押し付けるのではなく、「これはどう?」と子どもに提案してみるとうまくいくかもしれません。
まとめ
以上、子どもたちが一緒に遊ぶ意味・大切さについて考えてみました。幼児期の遊びは社会体験です。子どもたちは同年代の子どもと関わることで、他者を知り、自分を知り、社会性を身に着けていきます。
習い事で技能を磨くよりも、子どもたちが一緒になって遊ぶことの方が何倍も大切だと言います。また、「質よりも量」だとも言います。子ども時代に同年代の子どもたちと関わる経験は、将来人を信頼し、コミュニケーションをとり、人間関係を構築する基盤となることでしょう。
子どもたちが「遊ぶ」ことには大切な意味があることを、心に留めておきたいと思います。
<当ブログはアフィリエイト広告を利用しています。> <育児本100冊チャレンジ>しています!応援してね。 今回読んだ本は、小林正観・中村多恵子共著『天才たちの共通項 子育てしない子育て』(大和書房)です。 […]
<当ブログはアフィリエイト広告を利用しています。> <育児本100冊チャレンジ>しています!応援してね。 今回読んだ本は島村華子著『モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児[…]