『やり抜く力ー人生のあらゆる成功を収める「究極の能力」を身につける』の要約。GRIT(グリット)とは?

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今回読んだ本はアンジェラ・ダックワース著『やり抜く力 ー人生のあらゆる成功を収める「究極の能力」を身につける』です。

「やり抜く力」は、英語では「GRIT(グリット)」と言います。非認知能力の1つとして、近年よく聞かれるようになった言葉です。

<人生の成功に必要なのは「才能」ではなく、諦めずにやり抜く力、つまりGRIT(グリット)だ>、というのが、簡単ですが本書のテーマです。やり抜く力が強い人にはどんなことが起こるのか、やり抜く力はどのように測定することができるのか、やり抜く力はどうやって育てるのか。

子どもだけではなく、大人が自分のためにも読んでみてほしい一冊です。

著者について

著者はアンジェラ・ダックワーズでペンシルベニア大学心理学教授の方です。GRIT(やり抜く力)研究の第一人者として、2013年にマッカーサー賞を受賞しました。やり抜く力についての研究内容は、教育界、ビジネス界、スポーツ界など様々な分野のリーダーたちから注目を集めているそうです。

ご自身も2人の娘さんのお母さんであり、子育てを通してやり抜く力についての考察を深められています。

成功した人たちに共通しているのは「やり抜く力」だった!

「どんな分野であれ、成功を収めた人たちには断固たる強い決意があり、並外れて粘り強く、努力家だった

例えば、現在偉人や天才と呼ばれる人々は「天才」だったから成功したのか、それとも「努力家」だから成功したのか?と聞かれたら、あなたはどちらだと思いますか?

「あの人は才能があるから成功したんだ」と私たちは考えがちですが、才能があることよりも努力し続けることの方が難しく、成功に必要な要素であると言います。

裏返すと、どんなに優秀で才能のある人でも、必ず成功するわけではありません。「やり抜く力」がなければ、成功することはできないそうです。とある研究では、どの生徒が厳しい訓練に耐え最後まで士官学校に残ることができるかを調べてみたところ、残ることができたのは入学時に優秀な成績をおさめていた生徒ではなく、やり抜く力を持つ生徒だったそうです。

成功する秘訣は、1つのことにじっくりと長い間取り組む姿勢

だと言います。次に紹介するグリット・スケール(やり抜く力の測定方法)の回答項目にも登場しますが、常に目標を変えず、新しいことに見向きもせず、達成まで何カ月もかかることに取り組み続けることは、簡単に見えてとても難しいことだと私は思いました。

あなたは何かに興味をもち、それについてずっと継続的に取り組んでいますか?目標を変えることなく、努力していますか?

私の場合、この項目に回答するために「私は何に取り組んでいるか?」という問いからはじめなければなりませんでした。ただの専業主婦の私が、何に情熱をもって取り組んでいるか?そんなのないよ!と心の中で思ってしまいました。強いていえば、子どもが元気で自立できるようサポートすることでしょうか。

もし<情熱をもって取り組むこと>が見つかっていない場合は、「無意識のうちに考えてしまっていること」や、「それをしていると楽しいと思えること」をヒントにしてみると良いそうです。

ランニング

グリット・スケール

「やり抜く力」という目に見えないものを測定する方法が、「グリット・スケール」です。もっとたくさんの質問項目があるのかと思っていましたが、質問数は10個とシンプルです。

<「やり抜く力」をはかるグリット・スケール>

まったく当てはまらない あまり当てはまらない いくらか当てはまる かなり当てはまる 非常に当てはまる
1.新しいアイデアやプロジェクトが出てくると、ついそちらに気を取られてしまう。
2.私は挫折をしてもめげない。簡単には諦めない。
3.目標を設定しても、すぐ別の目標に乗り越えることが多い。
4.私は努力家だ。
5.達成まで何カ月もかかることに、ずっと集中して取り組むことがなかなかできない。
6.一度はじめたことは、必ずやり遂げる。
7.興味の対象が毎年のように変わる。
8.私は勤勉だ。絶対にあきらめない。
9.アイデアやプロジェクトに夢中になっても、すぐに興味を失ってしまったことがある。
10.重要な課題を克服するために、挫折を乗り越えた経験がある。

(出典:「やり抜く力」アンジェラ・ダックワーズ著より)

当てはまった箇所の数字に丸をつけていき、合計して10で割った数値がグリット・スコアになります。また、奇数の項目にだけ回答し、合計して5で割ると「情熱」スコアが、偶数の項目だけに回答し合計して5で割ると「粘り強さ」スコアを出すことができます。

一般的に、「粘り強さ」スコアの方が、「情熱」スコアよりも高い傾向があるそうです。わき目もふらず、常に1つの目標に集中して取り組み続ける人の方が少数でしょう。また、これは私の意見ですが、少年時代、青年期の子どもたちにはたくさんのチャレンジや挫折し方向転換する機会も必要な気もします。

グリット・スケールは米国陸軍士官学校での研究用に開発されたものだそうです。スポーツ選手や、目的ある仕事をする人たちが、成果をあげることができるかどうかを測る手段とはなりそうですね。

やり抜く力は伸ばせる!

やり抜く力の伸ばし方

ダックワーズ教授は、「やり抜く力は伸ばすことができる」と言います。その方法には2つあり、1つは内側から伸ばす方法と、もう1つは外部の力を借りて伸ばす方法です。

具体的に興味を掘り下げる
自分のスキルを上回る目標を設定してはそれをクリアする練習を習慣化する
自分の取り組んでいることが自分よりも大きな目的とつながっていることを意識する
絶望的な状況でも希望をもつことを学ぶ
親、コーチ、メンターなどの声掛けによって伸ばす
子育てにおいては、特に外側からやり抜く力を伸ばす方法が参考になりそうです。
子どもへの声掛けについては、こちらの著書も参考にしてみてくださいね↓
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最後までやり抜く習慣を身につける

本書の中で、ダックワーズ教授は子どもの習い事についても触れています。私も、子どもの習い事については悩むことが多いです。子どもから「辞めたい」と言われると、やり抜く力を育てるために、「もう少し頑張って」と説得するべきなのか、もしくは子どもの意見を尊重するべきなのか、悩むところです。

この問題について、はっきりとした答えは書いていません。「最低2年は続けてみる」「最後までやり通すことを教える」というのがヒントなのかな?という程度です。

ただ、青年期の課外活動はやり抜く力を育てるそうです。ピアノにしてもダンスにしてもサッカーにしても、上手くなるためにはたくさんの努力が必要です。どの程度の努力が必要なのかを子ども自身が体感するチャンスでもありますし、努力した結果が見えやすいのもそうした活動です。勉強でも良いです。努力して結果を出す経験、最低でも2年は続けて、やり通す経験をした子はその後の人生でも踏ん張れるはずです。

その努力の方向が子どもの興味とうまくマッチしてくれれば良いのですが。わが家の好きなこと探しの旅はまだまだ続きそうです。

「やり抜く力」を読んだ感想・まとめ

このほか、本の中では目標の立て方ややり抜くためのマインドセットについて、たくさん教えてくれます。子育てへのヒントだけでなく、自身の生き方へのヒントとしても、ぜひ読んでみていただきたいです。

 

私はというと、「情熱」のスコアが著しく低いようです。。興味も毎年のようにコロコロ変わります。本書を読んで、私は何にも興味をもつことができない悲しい人間なんだ、と落ち込んでしまったのも事実です。少し考えて、いっそのこと、興味を毎年変えること、常に新しいことを追い求めることを目標に生きていきたいなと思いました。

こちらの著書ではより広い視野で子どもの成功に必要な能力を考察しています。長いルポタージュです↓

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